(5-5)　モンサンミッシェルへ　　　＜英・仏編＞　　　　（旅行記）

　　　　
門から、島に入るとそこは、中世のお城の中の雰囲気。ドラゴンクエストの世界と言ったら怒られるだろうか。入場料を払い、修道院に入る。テラスへ行くとそこからは、周りの海が一望できここが、海のど真ん中にあることを改めて実感する。

確かに、海の要塞でもある。ノルマンディー公の何回の襲撃にもじっと耐えた、というのも納得できる。
　　　　
奥に行くと、美しい回廊がある。中庭には緑があり、ほっとする。ここの回廊の柱は二重構造になっており、しかも、手の込んだことに、外側と内側の柱並び方が変則で中央の一か所だけがいっちしており、つまりそこのところだけ、ちょうど門のように開いている。ここが天国へ通じる門とのこと。こじつけのように聞こえるが。。。そのようにも見える。
　　　　
さて、ここで一番驚いたのは、私たち朝一番のりしたが、９時半のオープンに合わせて、来た人たちの約８０％が日本人であったことである。

フランスの田舎のあるところに集中的に日本人が集まってくるとは、いかに、日本人に人気のところか、驚いた。世界中の観光スポットの中でも、ここだけではないか。それほど日本人好みのところとである。なぜだろうか。ウーーん、よくわからない。海に気高く一人で孤高の心で美しくそびえたっているところが、日本人好みなのかもしれない。
　　　　
ここで、名物のオムレツをいただいた。タマゴ１００％でできているとのこと。味は意外と淡白で、サクサクしており、さっぱりした味．塩を少しかけて食べるとおいしい。見かけの量は大きいが、空気がたくさん入っているので、意外と食べられる。卵を手で泡だてて、しかも薪で焼く。冷たい潮の道を濡れながら満潮の危険にも顧みず命をかけてたどり着いた人達にとって、涙が出るほどおいしかったに違いない。
　　　
ここで、４時間ほど過ごした後、パリへ向かう。途中、昔の映画「男と女」で有名なオンフールへ寄る。ここは、パリの金持ちたちの保養地であったところ。小さな、こぎれいな港街である。建物が、港の傍に、まるでアムステルダムの街並みのように寄せ合って立っている。それが、他のところとは違った美しい景観を見せている。また、印象派の画家が多く集まったところでもある。
　　　
パリまでの道は、なだらかな田園風景の中を進んでいく。農家の家の造りが、昨日のロワール河あたりの造りと違って、ノルマディー風の造りになっている。つまり、石の枠組みの造りから大きな木の枠組みの造りに変わっている。ノルマンディー人の影響である。

また、所々に、大きなお城のような家がポツンポツンと見かけられる。昔の貴族の別荘であった家である。部屋数は２０−４０部屋あり、貴族がこの別荘へ来る時は、料理を作った利、家事をする使用人達も大勢連れてきたためである。それをいい暮らしと思うか、面倒くさいと思うかは、人に依る話。
　　　　　
パリへ着いたら、今夜はラーメン餃子を食べようということになった（日本人ですねえ）。時間もちょうど８時半あたりのせいか、どこの日本食レストランも入口に行列ができていた。並んでいるのは、日本人ばかりかと思ったら、日本人は少なく１０％くらい。パリでの日本食は結構人気が高いようだ。健康食ブームなのか、それとも、味自体が認められたのか。皆さん器用に箸を使ってなさる。
　　　
少しうれしくなった。ただ、他の客のラーメンのどんぶりのスープを観たところ、あまりおいしそうには観えなかった。また、目の前で、麺を茹でているコックも、日本人ではない。いったん茹でた麺を水切り籠にいれたまま３，４こ並べて、そのままにしている。これはあまり期待できそうもない。突如、かつ丼セットに変更した。餃子も付いていて、おいしかった。